学生の頃にバンドを組んでいた。
ギタリストが足元にたさくんのコンパクトエフェクターを並べているのがかっこよく見えた。
自分はベースであるにも関わらず、ドライバー、ディストーション、リミッター、ワウなどを並べてかっこを付けていた。

そんなある日ギターウルフのインタビュー記事を読んだ。だいたいこんな感じ
Q:ギターアンプはどのようなものを使いますか。
A:そこにあるもの
Q:音作りにこだわりはありますか?
A:全部全開
プロのバンドがそんなんでいいのか!と衝撃を受けた。
アマチュアでもエフェクターどころかでかいアンプを持ち込んでいるのが当たり前だというのに、超かっこいいと思った。
しかし、僕も一応自分なりにかっこいいと感じる音はあるのでエフェクターの数は減らしたものの最低でも1つは持ち歩いていたが。
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聞けばわかるが音作りは必要なさそう。
ライブハウスで演奏するのに少し慣れ、ステージでダダ滑りするのに慣れた頃。
いつもの駅でボーカルと一緒に電車に乗ったところ、「あれっ、ベースは?」と聞かれた。
「あぁ、うちにおいてきたなぁ」いかんいかんと乗った電車をすぐに降りて家に引き返したので集合時間に遅刻した。ちょっとギターウルフっぽくて良いなと思った。
一方、僕たちのバンドのドラムはドラムセットをきちんと持っているのにその場にあるものしか使わない。そのうえその日はバチと靴まで忘れてきた。ドラム用の靴があるのがかわいい。その日は他人のバチを借りて優しく叩いていた。
「やられた!」あっちの方がギターウルフっぽいな、と思った。
それ以来出演時には円陣を組んで「バチと靴を忘れるな!」と声をかけてステージに上がるのが定番となった。
社会人になりそのバンドは解散した。
今では二年に一度くらいの頻度でその時誘われたバンドでイベントに出演することがある。いまだにギターウルフの無鉄砲さに憧れているのでアンプやエフェクターを持ち込むなどもってのほかである。
ここ10年ほどは手ぶらで会場に行き知り合いのベースを借りて弾いている。さすがのギターウルフもここまではできない。なぜなら彼らはワンマンライブだから。
と、自分のワイルドさに恍惚となっていたが前回のライブでリハと本番で使用するベースがかわってしまった。そうなると僕ではなく音響を担当するPAさんが困るということが発覚した。
そう、ワイルドでかっこいいのではなく、ただ単に迷惑なすっとこ野郎だったのである。きっと前からそう思われていたに違いない。

次回からはきちんと自分のベースを持っていこうと思う。