酒器にはおしゃれな物も多い。
とりわけ、日本酒に関する物は制作者のこだわりが感じられる。
もう10年も前になるだろうか、
そう思ったのは木村衣有子さん編集の小冊子「のんべぇ春秋」を手にした時だ。
エッセイや短編小説の合間に紹介される酒器達は古びた飲み屋で使い古された8オンスのタンブラーすら愛しく思える秀逸な小冊子だ。
とりわけ、京都の今宵堂さんの酒器には心を奪われる。
シンプルながら気品があり、一方では遊び心の効いた酒器も取り揃える。
インスタグラムを覗くたびに日本酒でひどい二日酔いになる僕でさえ、「この酒器を使うためだけに飲みたい」とさえ思う。
夫婦の手仕事ゆえに数ヶ月待ちは当たり前という希少さも憧れを募らせる。
僕がお酒を飲むときの相棒はサーモスの420mlのタンブラーだ。
氷は溶けず、結露もせず、実用性においてこれ以上の正解はない。ハイボールを煽るには実に合理的だ。
けれど、透明のグラスで琥珀色に揺れるハイボールの炭酸を目で楽しめたらもっと美味しいのではないかと思わずにいられない。
結局のところ、アルコールはそれを飲む時の気持ちや雰囲気も含めて楽しむものだと思う。
静かなバーでグラスを傾ける紳士。
気の置けない仲間と集まって「これからみんなで楽しむぞ~」と一致団結。
旅先での「昼酒サイコー!」という開放感。
自宅においてはお気に入りの「酒器」があれば、もっと豊かな時間を過ごせるはずだ。
ところで、最近思うことがある。
「ノンアル専用のグラス」があっても良いのではないか。
「それは普通のコップやろがい!」などと言ってはいけない。
ノンアル界隈も盛り上がってきているのでノンアル独自の楽しみ方が生まれても良いのかな?
と思った次第。
いつかお気に入りの酒器に出会えるだろうか。
